COLUMN

コラム

2018.09.24

岡田聡インタビュー

「会社の出口、事業承継を考え ることは今の会社にも大きなイ ンパクトを与える」
建設業界 M&A コロナ ウイルス 特別貸付

今の土台になる、建設資材メーカーでの飛び込み営業に明け暮れた3年間


就職活動では本命は別の会社だったし、建設業界に全く関心はなかった。
入社した会社には緑化事業部と建設事業部があって、もちろん「緑化希望」。
でも、希望虚しく建設事業部ウレタン施工工事の営業部に配属された。


建物の断熱材である発泡ウレタンを積んだポンプ車を現場につけて、ホースを中にひっぱってシュワシュワ吹き付ける職人の手元に養生したり、ホースをひっぱったり、削ったりお掃除したり、、大学卒業をしてやる気に満ちていた岡田は思った。


「騙された、聞いてたのと違う!」


クレーンが立ってる現場を見つけて飛び込む。うまくいけば現場所長に営業ができた。
それで終わりではなかった。
会社のコンセプトが「材料を納品するだけでなく施工工事までちゃんと製品である」を掲げていたからだ。
仕事が取れたら取れたで15班の中に組み込みながら工程管理を行い、現場打ち合わせもする。
職人手配も行い、乗り込みだって一緒にして、責任施工として納品する。


現場監督からも職人からも、怒られた回数は数知れない。


現場に呼ばれればいつでもどんな時も行った。
社員の先輩に「岡田ちょっと現場ついてこい」と言われついていくと、そこは温水プールだった。
地下の狭いピットの中にホースを持って入っていきながらウレタンをシューシューと施工した。
一歩間違えたら死んでしまう、中毒で。そんな危ない施工現場だと何も知らずに、これで死者が過去何人も出てるなんて全く知らずに。


それでも現場が好きだった。楽しいと感じていた。
商材は変わったが社会人3年目まで、岡田は営業を続けた。



無謀な挑戦。業界最大手設計事務所の3枚の名刺から始まる成長戦略


世の中に普及していない新しい資材、技術はまず図面に入らない。
こういう工法があるから図面にして、それを現場にこの材料を使って、と提案することで指定が取れると、設計事務所にスペックインすることができ、仕事がもらえる。


日本一の設計事務所を通したら、一番仕事がとれるだろうという単純な発想から全くコンタクトなく、無謀にもとりあえず会いに行くことにした。社内にはその設計事務所の名刺が3枚だけあった。


「今後環境の時代になります、屋上緑化があったり、こんな新しいエコな商材が必要です。ぜひ検討してください」という営業をすると、思った以上に反応は良かった。「この図面にはどう反映できる?」と言われて図面に落とす。建設業の構造、建設現場がどのようにできあがっていくか、それがよく理解できていたからこそ、熱を帯びた提案は説得力があり魅力があった。


いつのまにか3枚の名刺が、紹介に次ぐ紹介で200枚になっていた。
現場での経験が、岡田をトップセールスマンに成長させた。


今、岡田の仕事はスカイツリーや東京ミッドタウンで見ることができる。
緑の部分は岡田が5年前や10年前に図面にスペックインしたものだ。



建設業の経営者に財務・経営・お金の支援をしたい一心で金融業に飛び込む


建設業を営む経営者は「建設の営業ってどうやって広めていったらいいのか」「設計事務所ってどうやって売り込めばいいの?」と、誰に相談していいかわからない悩みが多くある。
建設業の営業をずっとやっていたからこそ、自分の専門領域だったから頼ってもらえた。
保険を売らずに、会社がよくなるために、建設業ってこうですよねという話をした。
だけど保険は保険で必要なので、整えましょうといった感じでいただきながら。
こういう会社探しているんだけどどこかないかな、で僕はご紹介できますよ、あそこと組んだほうがいいですよ、と紹介し、会社と会社を繋げた。その輪は建設業界の中で広がり、気づけばクライアントの9割が建設業界だった。


そして、某大手保険会社の営業7000人中、全国No.1を達成していた。


評判が評判を生み、多くの建設業の経営者を紹介してもらった。
塗装屋もいれば電気屋もいればいろんな業種の経営者の悩みを聞く毎日。


もちろん保険は優れたものだ。


でも、保険は会社の将来をよりよくするための道具のひとつにすぎない。
保険会社にいると活動が成約される、結局保険を売らなきゃいけない。窮屈に感じ始めていた。



「法人FPサービスをすべての中小企業に」を掲げ、お金が残る仕組み作りを支援


経営者が何をしたいのか、どんな会社にしたいのか、そこのビジョンに沿った上でどういう保険の形があるのかというのをオーダーメードすることが望ましいと考えている。


それに加え、財務とか金融も、道具としては優れたものだが、複雑なため、使い方が間違っていては意味がない。経営者の立場になって将来会社がどうなりたいのか、財務的な問題はなにか、それを解決する道具としてどの道具が適しているのか、提案って誰もしていないから、結局保険商品を売る、こういう保証がある、そういう説明だけでこの会社にとってなんのために、どういう意味があって、本当にそれが適正なのかというのは誰もわからない状態で売られてしまっている。それを変えていきたい。


保険は道具の一つ。経営者の将来のビジョンに耳を傾け続けた岡田はさらなる高みを目指す。



建設M&Aを立ち上げたのは、「出口」を考えるきっかけにしてほしいから


岡田が経営者に必ず問いかけることがある。
「会社の出口をどうお考えですか?」
経営者が考えるべき「出口」、それは事業承継だ。
自分がもしこの会社から離れるとなったときに、この会社はどういう形になって、継続していくのか、っていうのを経営者としてどう考えているのか。
ほとんどの中小企業の経営者は「いや、考えていない」と答える。


全く違う会社のサラリーマンとして頑張っている40、50歳くらい息子をお父さん会社いよいよだから戻ってこいとか言って、無理やり引っ張ってきて急遽会社に戻ってきて継ぐ準備をはじめる。それでも、親族が継いでくれるなら、こんなに嬉しいことはない。


子どもたちも「継ぎたくないんだ、自分たちの人生歩んでるんだから父ちゃんン勝手にやってくれよ」
というケースも増えていて、継ぎ手いない、従業員も継ぐことができない、そんなケースを山程見てきた。


社員への後継も簡単なものではない。


中小企業の今の問題は、出口を考えていないから「先送り」になっていることだ。
難しいジャッジを誰もできないのでとりあえず今は頑張って、一年一年継続させよう。
それで今に至ってしまっている。
もっと時間があればいろんな対策ができたのに先送りにしていざ問題が起きてしまう。このままだと。廃業
するしかないケースも増えるだろう。


だから今、M&Aが選択されはじめ、これからも増えていく、そう岡田は考えている。



あなたの会社を価値あるものと認めて買いたい、と挙手をする会社がある


建設業界はさらに高齢化が進んでいるし、事業承継の相談をすでに受けているケースが多い。
団塊世代で70代前後の社長が多く、未だに継がすに継がせない、継ぎ手もいないとか。
でも技術やノウハウが蓄積され、職人たちが育っている立派な会社だ。


そういう会社を欲しがっている、成長期の会社が会社がある。
継ぎ手がいない会社とをどうマッチングして、統合した後もどちらもwinwinの関係をもたらす。それこそ、社会に求められていることではないか。


結婚のお見合いみたいなものだ。会ったからってみんなピタッとはまるわけじゃない。
歴史がある会社だったり、思い入れがあって子供のような存在な会社を任せる、となれば経営者も慎重になるのは当たり前だし、そんな簡単にぽんぽんと売れるものでもない。


売り手側の状況をちゃんと知って、財務状況とか強み、弱み、いろんなものを精査して、会社の価値を評価し、それを必要としている会社を探して、繋げていく。


マッチングが8割決める、くらい重要だ。
売り手側はそんなに情報を出したくない。クローズな情報として、水面下で進めなければならない。
相性もあるし、愛情を感じてくれるところでないとハッピーにならないからこそ、どういう会社に引き合わせできるのか。
事情を知った上で、この会社とこの会社がマッチングするのではないかと絞り、そこで引き合わせながらお互いの相性とかを見ながら最終的に決まる。



業界初の「建設業界に特化したM&Aサイト」の誕生


不思議な事だが、建設業界に特化しているM&Aサイトは今までなかった。


マッチングの精度が格段に上がると成約率が上がる。
それが建設業に特化する意味だ。
建設業界の状況が理解できて、建設業の情報が集まってくるからこそ、業種同士の相性もわかっていて、今後の業界が変わっていくという変遷も見える。
今までビジネスマッチングをずっとやってきたからこそ、この会社とこの会社ならこんな仕事ができるんではないか、建設業界がわかっているからこそ提案をしてこれた。
M&Aも一緒で、業界のことを上から下まで構造がわかっていて、業種の強み弱みがわかっていて売り手と買い手の状況がわかればマッチングの成約率が上がってノウハウが蓄積されていく。
だから他のサイトよりも高いマッチング率で喜ばれる状況を作っていけると確信している。



建設M&Aを通して、最も伝えたいことはただひとつ


「会社をどうしていくか、ということをかんがえるきっかけ」
にしてもらいたい、そうすると今の経営スタイルが変わるはず。
今こんなことをしていていいのか、なんのために売上をあげるのか、なんのために成長させるのか。
なんのために経営しているのかという根本を考えることになる。
会社の出口、事業承継を考えることは今の会社にも大きなインパクトを与えることだ。


岡田はそう信じている。

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