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2020.04.23

注意!「新型コロナウイルス感染症特別貸付」は安易に行ってはいけません。

建設業界 M&A コロナ ウイルス 特別貸付

建設業界に特化したM&A専門サイトを運営している建設ビレッジです。


新型コロナウイルス感染症の影響により、業況悪化を来している企業が世界的に増えています。この状況への対策として、日本政策金融公庫は国内の企業向けに「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を実施しており、現在は非常に多くの企業から貸付の要望が殺到しているとの情報が入ってきています。


本日お話ししたいのは、その「新型コロナウイルス感染症特別貸付」についてです。非常に貸付のハードルが低いこの特別貸付ですが、我々は相談にいらっしゃる経営者様には安易に申し込んではいけない、というお話をしています。


本日は、その理由についてお話していきます。


 


新型コロナウイルス感染症特別貸付はハードルが低い貸付制度です。


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2020年3月17日、日本政策金融公庫は「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の実施を発表しました。


「1ヶ月の売上減少が5%以上」「業歴が3ヶ月以上」「業種に制限はなし」というハードルの低さから瞬く間に応募が殺到しており、現状、審査から貸付までにかなりの時間を要しているとのことです。


このハードルの低さから「とりあえず申請を出しておいて、もらえる分だけ借りてしまおう」という考えの経営者の方が多くいらっしゃるようです。


「とりあえず」1000万円を融資してもらった、という経営者の方もいらっしゃいます。


3月中の申請であれば私たちもこのやり方を推奨していました。しかし、4月以降に貸付の申請をする方々には、特別貸付を安易に行うべきでない、というお話をしています。


 


緊急事態宣言により、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明になっています。


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我々が安易に行うべきではないと判断したきっかけは、4月7日に発表された緊急事態宣言です。


新型コロナウイルス感染症はすぐに収まると楽観視されていましたが、数ヶ月先ではなく1年先のことも視野に入れなければならない、ひょっとしたらその先も……という、長期戦になりつつあるのです。


そのため、私たちは相談にいらっしゃる経営者の方々に対して「安易に特別貸付を行うのではなく、1年間での収益減、利益減を見込んで融資を申し込んでください」ということをお話しています。


新型コロナウイルス感染症特別貸付を申し込もうかお悩みの経営者様も、まずは経営・事業計画書を作成して1年先の見通しを立てた上で、本当に必要な金額を計算し、貸付を申し込むようにしてください。事業計画書という根拠を元に交渉することで、貸付がうまくいく可能性は大きく上がります。


「とりあえず」書類を出して1回貸付を行なってしまうと、その後の追加での融資は審査がかなり厳しくなります。ですので、あらかじめ事業計画、売上の推移予想を作成して本当に必要な金額の根拠を提示する必要があります。


ですから安易に応募せず、年間での収支予想を立ててから応募してくださることをお勧めいたします。


 


ピンチをチャンスに変えるためにも新たな挑戦を支援していきたい


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弊社のクライアントである建設業界全体でも流れが非常に変わってきています。


3月中は工事が行われるなど、建設業にも大きな影響はなかったようですが、緊急事態宣言や大手ゼネコンの従業員の方が亡くなったことから、想定外の状況が起きています。


この先も予測不可能な事態が続くかと思います。生き残るためにも体力勝負になるので、こういった特別融資はハードルが低いからこそ、しっかり考えて数字を計算した上で申請すべきです。


また、このピンチをチャンスに変える発想を作り出すのも一つの手です。


今回の新型コロナウィルスの影響でテレワークを導入する企業が増えています。このテレワークというものはオフィスの在り方を変えることになるのではないか、と私は考えています。自宅でも仕事ができ、会議ができる。集合オフィスの必要がなくなるのです。


これによってオフィスの形がどんどん変化していくかもしれません。リノベーションによって内装を変化させたり、除菌や感染防止のために空調の環境づくりだったり、現在はピンチですが、新型コロナウィルスによって需要が増える業種、事業が現れてくると考えています。


今の事業を守ることも当然大切ですが、それだけではなくこれから伸びる見込みのある事業に、ピンチだからこそチャレンジするのも一つの手かもしれません。


「アフターコロナはこういった社会に変わってくるだろう」ということを考えて仕掛けていく。次に伸びる事業はまず何なんだろうかと考えてみる。もしかすると、新規事業が伸びたことで会社の状況を保つことができたという状況が来るかもしれません。


 


ある種では、今、我々は経営者、コンサルタントとしての手腕を試されているのかもしれません。こんな時だからこそピンチをバネに変え、時代に合わせた事業展開をしていくべきなのかもしれません。

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