COLUMN

コラム

2019.12.12

M&Aで売却できる会社と、売却できない会社の違いはどこにある?

建設業界 M&A

建設業界に特化したM&A専門サイトを運営している建設ビレッジです。


本日も、前回に引き続き、岡田にインタビューを行いました。


 


どういった会社に買い手がつかない?


建設業界 M&A


例えば、属人的な会社はなかなか売れないケースがあります。会社イコール社長、社長がいないと会社が回っていかないような会社は売りづらいです。そういった企業は、社長が辞めるとなると、社員もその後を追って辞めてしまうリスクがあるからです。ですから、社長がいなくてもしっかりと回していくことができる会社じゃないと少し厳しいかもしれません。


やはり、買い手が求めているのはノウハウがあり、それが社内に浸透している会社です。社長が本業から引いたとしても、別の社員が仕事を回すことができる方が買い手は付きやすいです。


ですから理想を言うと、M&Aを選択肢に入れる場合、その企業を売りやすい会社に磨き上げることが必要です。もちろん、その企業が今すぐに売ることができる状態かもしれません。


ですが、より売りやすい状況に社内を整えてから、価値を上げて売却するというのが私はベストですよ、というお話をしています。


 


売却を考えるのであれば、会社の出血を減らすことが大事。


建設業界 M&A


しかし、それができるのはある程度企業に余裕がある場合に限られてしまうのも現状です。そこまで先を見据えた優秀な経営者はあまりいません。


最近は特に、「潰れそうだ」ということで相談に来られるケースが多いです。その企業は運送業を営んでいたのですが、スポンサーが欲しい、と言って相談に見えました。しかし内容を聞いてみると、今日明日で数百万円の現金が必要だったんですね。


そのままではどの企業も買ってくれません。社員が80人、トラックも何十台もありますが、利益率が悪いので経営が悪化している。買い取ってもメリットがありません。


そこで、その企業に利益を出している事業部があったので、それを切り売りしてキャッシュを入れて、本体の採算を合わせる話になりました。まずは出血を減らす必要があったのです。


債務の部分を銀行と交渉して圧縮し、赤字を止めて、本部を整えた状態で売る、と言うことじゃないとまず買い手は現れません。そのまま売っても借金を背負う会社が増えるだけです。


事業部を売却したり、人件費などの経費を減らして社内にキャッシュを入れていき、時間を稼ぐ必要がありました。それで会社をスリムにして売ることができる状態に持っていく。この動きを再生系のM&Aと言っています。


私たちに与えられたミッションはいくつかありますが、企業の再生のお手伝い、つまり企業の価値を上げて、その企業が売れるまでのコンサルティングを行うのも重要な仕事の1つです。


 


経営に困った会社からM&Aに関する相談を受けることが多い。


もともとは経営に困った会社からの相談の方が多いです。建設業の経営者の方々は財務に弱いケースが多いので、経営が少し雑であることが多いです。


経営が順調な時はそれでもなんとかなりますが、人が辞めたり、売上が減ったりしてそのリズムが崩れると一気に会社が壊れていく、というケースが多いです。


正直、一過性の赤字であればその企業を立て直すことはできます。急激に経営状態が悪化しても、本業が通常運転できるのであれば利益が出るので、外部からスポンサーを呼べば解決するのです。


しかし、負債がかさんでいると、買い手がつかずに倒産、破産というケースもあります。銀行の借り入れができないほどの債務超過の状態にある会社を買うメリットはありません。そういう企業は倒産しか選択肢がありません。


倒産しても残したい人材は、M&Aを行わずとも別の会社に移すことができます。「箱」である会社の債務が重すぎる場合、その「箱」を潰して、「箱の中」にいる人を別の企業に引き受けてもらう、といったケースもあります。


 


確実に買い手がつく会社の条件とは?


建設業界 M&A


確実に買い手がつく会社は、利益が毎年出ていて、資産もあって、債務超過ではなく、若い人材が多く揃っている、ピカピカの会社です。


そういう場合は売る必要はありませんが、本当に優秀な会社は経営がピークに達するのを見計らって売ってしまうこともあります。


私には新築の設計をやっていた友人がいましたが、業績が良いタイミングで、経営していた会社をマンションの設計をする企業に売却しました。今後は新築があまり増えない、というのが彼の考えだそうです。それで現在は売却した先のグループ企業として傘下に入り、その企業の社長として残っています。


社員の将来を考えると、資本がしっかりしている会社に入るという選択はとても良いことです。友人の会社を買収した企業は、新築の設計だけでなく、改修のノウハウも持っていたりする。


そうするとグループとして動くことで学びやノウハウがどんどん増えるので、社員にとってもその後のキャリアを考えた時に有効的なのです。オーナーとして働くことにこだわりがなければ、それも選択肢の1つですね。


売却できる会社と売却できない会社、その違いは「買う側にメリットがあるかどうか」ということです。しかし、今、売却できないから、買い手が見つからないからその企業は廃業すべきなのかというと、そうではありません。


必ず、その企業の強みを求めている企業があります。


そういった企業の強みを前面に活かしていけるようなお手伝いを、私たちは全力でしています。

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