COLUMN

コラム

2019.11.28

M&Aには会社の規模は関係ありません。実例から考える建設業界におけるM&Aの実態。

建設業界 M&A

建設業界に特化したM&A専門サイトを運営している建設ビレッジです。


本日も、前回に引き続き、岡田にインタビューを行いました。


 


M&Aにはいくつかの種類がある。



本日は小規模の会社のM&Aに関して、具体例をお話したいのですが、その前にM&Aについて説明させていただきます。


一言で「M&A」と言っても、M&Aには多くの種類があります。事業売却、株式譲渡、社員の移動、資本業務提携など……。一般的には、100%の株式譲渡のことを指してM&A、ということが多いです。それ以外にも「1つの事業部だけを売りたい」というケースもあります。この話は実際に私が経験したことですのでお話していきます。


私が担当したのは足場の施工会社だったのですが、その企業は仕事はあるので売上もありました。しかし、社内の資金繰りが厳しい状況でした。このまま単独で経営を続けるか、それともどこかの傘下に入ってグループとして経営するのがいいのかという話になったときに私がM&Aの提案をしました。


そこで買い手を探してみると、あるIT企業が見つかりました。


その企業は30代後半の社長が経営する、波に乗っているIT企業でした。社長はITの事業で出した利益を元手に事業を広げていきたいとのことで、買い手の候補となった段階で、すでに建設の足場のレンタル事業を始めていました。


買い手候補の企業は足場の施工会社を買いたい、それに機材をリスクできる置き場が欲しいとのことだったんですね。それで両社を引き合わせて、買い手はその企業ごと買いたい、という話になって現在、最終の詰めまで進んでいます。全く別の業界でも、こういう縁があるんだな、と思いましたね。


 


基本的に建設業界のM&Aは同業が中心。例外もたまにある。


建設業界 M&A


買い手になる業種は建設業とは限りませんが、それでも同業者が中心になることが多いです。上記の例のように別業種から建設業を買いたいという話は、ごくたまにあります。しかし、本当にごくたまにです。


建設業のM&Aで中心となるのは、建設業が同業者を買いたいというケースです。不動産管理会社がビルメンテナンスの会社を買いたいだったり、設備施工の会社が別の地域にある施工会社を買いたいだったり、同業者間での売買の方が多いです。


 


もし仮に買収が決まった場合、社員はどうなる?


建設業界 M&A


売買が決定した後の社員さんがどうなるかは、一概には言うことができません。これは社員さんに同意してもらわないと決めることができないので難しい問題です。


社長が若いと、買収前と変わらずにその社長が現場に残ることが多いです。グループ企業になりますので、経営資本や経営管理が変わることはありますが、基本的な業務はそのまま継続するというケースも多いです。しかし、逆に会社の色がガラッと変わってしまうこともあります。


そういう場合は慎重に動かないと社員さんが辞めてしまうことがあります。M&Aが成立してからは、PMIと言う統合後のマネジメントがあるのですが、我々は統合したら終わり、ではなくむしろ統合した後の方が大事であると考えています。私自身も、何ヶ月間か、流れができるまでは合併された後の企業をフォローするようには心がけています。


 


現状、買いたい人と売りたい人の割合はどれくらい?


買いたい9、売りたい1、くらいです。今後は少し変わっていくでしょう。今後は変動するかと思いますが、自分から手をあげて「売りたい」という企業は100社あれば2、3社しかありません。


どこの会社も自分の会社を売るという選択肢がない場合が多いです。経営がダメだったら潰すしかない、それか会社を畳み、清算することを考えているようです。M&Aという選択肢がないのです。ですから、資金調達の話をするときに、M&Aというものがありますよ、というお話をしています。少しでも多くの方に知ってもらいたいですから。


社員がいるにも関わらず、廃業を選ぶというのは非常に勿体無いことです。廃業や倒産を考える前に「売る」という選択肢がある。今ある会社は何らかの価値をつけて売ることができる。私はそのことをセミナーで啓蒙しています。


 


セミナーは商工会などで開かれることが多いです。弊社が単独で集めるということはありませんが、M&Aという選択肢がない企業が多いので、こう言った問題についてもどんどんお話をして、知っていただきたいと考えています。

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