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2020.02.25

株式譲渡、事業譲渡……M&Aをすると、社長はいくら受け取れるのでしょうか?

建設業界 M&A

建設業界に特化したM&A専門サイトを運営している建設ビレッジです。


本日お話したいのは、M&Aを行なった後の具体的なお金の動きについてです。


これまでM&Aにはいくつかの種類があることをお話してきました。では、M&Aを行うことによってお金はどこにどれくらい動くのでしょうか。本日はこのことについてお話します。


 


株式譲渡のM&Aで生じた売上は株式の売買と同じお金の動きをする。


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実は、「株式譲渡」を行うか「事業譲渡」を行うかによってお金の動きもその金額も変わってきます。まずは株式譲渡についてお話をします。


仮定として株式を100%保有している自身の会社が1億円で売れたとしましょう。


株式譲渡の場合、手数料として約20.315%が引かれます。しかし、その残り、およそ8000万円は株式を保有している経営者にお金が入ります。


株式譲渡ですから、これは株式の売買と同じ原則になります。個人で株を売却する場合でも、手数料として約2割が引かれ、手元に残るのは約8割です。役員報酬や給与としてこの利益を受け取ろうとすると2割ではなく5割が引かれますので、株主として受け取ることをお勧めします。


 


事業譲渡のM&Aで生じた売上は株主には還元されない。


建設業界 M&A


次に事業譲渡についてお話をします。


事業譲渡は株式譲渡と異なり、会社ごと売るのではなく、会社の一事業部門を売ることになります。ですので、事業譲渡の際に得た売上は個人ではなく、事業部門を抱えていた会社に入ります。


手数料などではなく、この売上には法人税がかかります。例えば、建設業でリフォーム事業部を売却すると1億円で売れたとします。その1億円は建設業の企業に入ります。その年の決算で、1億円の利益が残るということです。


そこに法人税がかかるので、だいたい67%くらいが会社に残ることになります。この場合、個人にはお金は入りません。


 


会社が出資して作った会社の株式を譲渡した場合は誰にお金が入るのか?


 


冒頭でお話した株式譲渡のお話は、個人が出資して会社を作った場合についてです。いわゆる創業者利益というものです。しかし、世間には会社が出資して別会社を作るケースがあります。その場合についても考えていきましょう。


例えば会社Aが資本金を負担して会社Bを作ったとしましょう。この会社Bを株式譲渡した場合、1億円で売れたとします。その場合、この1億円の売上はどこにいくのでしょうか。


この場合、出資したのは会社Aですから1億円の売上は会社Aに入ります。株式譲渡で注意が必要なのは、出資が個人であれば個人に売上が入り、出資が会社であれば会社に入るということです。誰が会社を作るのか、そこの違いがかなり大きくなります。


 


M&Aを行なった場合、自社で抱えていた負債はどこへいく?


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また、M&Aを行うにあたって多い質問として、企業を売却した場合、その企業が抱えていた負債は売上から引かれるのか、というものが挙げられます。


答えはNOです。株式を売却する際、負債も資産も全てひっくるめて計算した上での売却となります。負債も資産も会社の価値として判断された上で会社の価値が決まりますので、負債を返済をする必要はありません。


会社の価値の計算方法としては、純資産や会社利益というものがあります。会社利益とは、その会社が将来生み出すと予想される利益のことです。例えば、毎年2000万円の利益がある会社があるとすると、その会社利益は3年分の6000万円です。そこに純資産が加えられて会社の価値となります。


売却する側としては、買い取る側に将来生み出す利益を前払いで払ってもらうということです。これ以外に評価の方法はたくさんありますのでその都度計算方法も異なりますが、売却する際は負債を負担する必要はありません。


 


 


また、シードシードコンサルティングは建設M&Aのサイトから頂いた相談などの実務を担っています。こちらから、またはこのサイトから連絡をいただけますと対応いたしますので、ぜひ、M&Aでお悩みの方はご連絡をいただけると幸いです。

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