建設業界に特化したM&A専門サイトを運営している建設ビレッジです。
これまで中小企業でもM&Aを行うことができるということをお話してまいりました。少しずつこのスモールM&Aが世間でも知られるようになりつつありますが、それでもまだ世の中に浸透していないのが実情です。
そこで本日は、どういった中小企業がスモールM&Aを行うべきなのか、どういった企業に価値がつくのか、お話をしてまいりたいと思います。
資格保有者を多く抱えている企業
まずはじめに、挙げられるのは「資格保有者を多く抱えている企業」です。何度か挙げていますが、建設業界では慢性的な人手不足が続いており、特に施工管理ができる技術者は全く足りていません。
こうした人材は中途採用などで引く抜くケースも多く見られますが、採用でかかるコストは決して安いものではありません。また、1人の確保のために時間もかかりますし、すぐに退社するリスクもあるので、まとめてこういった人材を保有している企業ごと買ってしまった方が早い、という考え方を持つ企業が増えています。
国内の中小企業の実情としては、経営難の企業が増えているので長期的な視点で人材を育てることができなくなっているのもその理由として挙げられます。現場で活躍できる即戦力が求められているのです。
大手企業の取引口座を持っている企業
また、大手企業との商売のパイプがある企業も、世間では求められています。大手企業と取引したいという企業は世の中に多く存在しますが、その中に割って入っていくのは簡単なことではありません。
大手企業側も新規の取引先と取引するよりも、これまで長年築き上げた企業との関係を大切にしたいという考え方がどんどん強まっています。よほど大手企業にとってメリットがない限り、口座を開設することは至難の技なのです。
しかし、もし大手企業とのパイプがある場合、その会社を買収するだけで買い手側は大手企業との商売のチャンスが与えられるわけですから、そうなると買い手側の企業の商売の幅は大幅に広がることになります。
ですので、大手企業との取引口座がある企業は、それだけでも買収する価値があると考えてもいいでしょう。
特殊な技術力や特許を保有している企業
また、特殊な技術力や特許を保有している企業も、買い手側としてはかなりのメリットがあります。これは先ほど述べた「資格保有者」「大企業の取引口座」を保有している会社のケースと同じで、非常に大きな財産となるからです。
特に技術力や特許に関しては、それを取得したからといってすぐに業務に活かせるわけではありません。ましてや新卒で入社した社員にその技術を教えたとしても、転職をされてしまっては意味がありません。
新しく作り出すよりも、経験や実績、ノウハウがある既存の会社を買収してしまった方が、より早くその力を活かすことができると考える会社が増えています。
強みはある。しかし負債が多すぎるのでM&Aができないのではないか?
これまで挙げた中に会社の強みが当てはまる経営者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そういった方々が頭を悩ませるのは、借入金などの負債についてです。
もちろん、負債は会社を買い取る際の価値基準として重要な役割をなしますので、少なければ少ないほどいいものです。減らすことができる箇所は減らすべきでしょう。
しかし、負債が大きいからといって買い取られないとは限りません。買い手側が承知の上で負債を引き継ぐケースもあります。それはなぜか。買収してマイナスになったとしても、それを超えるプラスがあると判断されるからです。
例えば、その企業には従業員がおり、自社にない技術があって、売り上げが年間で3億円あるとしましょう。現状、利益は出ていませんが、しっかり数字を見直せば200万円は利益が出ると算出された場合、その企業は伸ばしようがあるということになります。
もう少し頑張ればさらに伸びる会社もあるかもしれません。マイナス3000万円の赤字の会社を引き継いでも、経営方法を変えるだけで年間2000万円の利益が出るようになれば、その上、従業員、技術、取引先の口座もあれば、会社の可能性はどんどん広がっていきます。
そう考えれば、数年後にはその企業を買収した金額を返済して、その後は利益を生み続けることができます。その会社を買うことが損ではなくなるわけです。自社にはない強みのある会社を、こういった点で求める企業は多く存在します。
そのためにも、廃業を考える前に一度、M&Aができるかどうか、買い手がいるかどうか相談いただけますと幸いです。
シードシードコンサルティングは建設M&Aのサイトから頂いた相談などの実務を担っています。こちらから、またはこのサイトから連絡をいただけますと対応いたしますので、ぜひ、M&Aでお悩みの方はご連絡をいただけると幸いです。