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最近、知り合いの経営者同士でスモールM&Aを行う企業が増えている、というお話をお伺いします。私自身もいくつかの相談を実際に受ける機会が増えています。
確かに、自分の会社を畳むという結論を下した場合、全くの他人よりも知り合いの経営者に経営を任せた方が安心できるような気がしますよね。
しかし、知り合い同士のM&Aでもトラブルになることがあるようです。本日は、そのトラブルについてお話します。
温情は大切。しかし、M&Aを済ませる前に第三者のチェックを忘れずに。
冒頭で述べたように、知り合いの経営者が引退するからその会社を受け継ぐことになった、というお話を最近よく耳にします。
先日お伺いしたのは、70代の社長Aさんが経営する会社を知り合いの40代の社長Bさんが受け継いだケースです。AさんはBさんが10代ほどのころから可愛がっていたそうで、仕事を渡したりして、Bさんの会社を大きくしたそうです。
そういった恩があったので、Aさんが引退を考えたときにBさんは会社を受け継ぐことにしました。普段から関係性があって互いの会社のこともよく知っているのでAさんは喜んでBさんにお渡しすることにしたそうです。
BさんはAさんの会社を統合しました。しかし、後にもトラブルが起きる可能性があることから、そこに我々のような第三者の専門家が入り、債務のチェックやリスクの確認をしてスムーズに引き継げるように手続きをしました。そして無事成立し、現在、BさんはAさんの会社を経営しています。
このように買い手も売り手も同意があるのであればうまくいくケースはあります。しかし、こういったケースはトラブルの方が多いのが実情で、これほどまでスムーズに行くことは本当に珍しいです。では、具体的にどういったトラブルが起きがちなのか、見ていきましょう。
後から知ったのでは遅い。中小企業の隠れ負債には特に注意。
今回AさんとBさんのスモールM&Aがうまくいったのは、第三者の専門家が介入したからです。情とはいえど、M&Aはお金が絡んできます。利益が出ている会社であれば資産もついてきますが、Aさんのような、引退間近の会社は借金や財務が傷んでいるケースが多いのです。隠れ負債といって帳簿に見えないものが出てくることが、M&Aにはよくあるのです。
中小企業では社長が決算書を粉飾しているケースが多々あります。本当は債務超過にも関わらず、仕事ができなくなるのを恐れて負債を隠すケースがあるのです。それを隠れ負債と言います。
隠れ負債の存在は、税務署の調査で発覚するケースもありますが、なんとか経営者が隠し通しているケースもあり、全てを把握するのは難しいのが現状です。そして、M&Aをする段階になって初めて、その隠れ負債が出てくることがあるのです。
特に建設業はどんぶり勘定の経営者が多いように思います。領収書を無くしたり、必要な書類を紛失したり、そういったことがよくあります。知り合い同士のM&Aでは、負債も綺麗に清算した上で評価しなければなりません。
引き継いだ後に隠れ負債がバレるのは、当然いいことではありません。しかし、知り合い同士のM&Aとなると気が緩んでしまうことが多く、こういったトラブルは多く存在します。
ですので、こういった事態を招かないためにも、M&Aを行う場合は第三者のプロが間に入ることをお勧めします。経営に関して、嘘は必ずいつか明らかになります。しかし、いくら知り合いでも「借金ありますか?」と相手の社長に聞くことはなかなかできないように思います。
そういった本人同士が話しづらいことも、第三者が入ることでクリアにできます。情だけではなく、しっかり双方に得があるようにしないといけません。
引退する知り合いの会社を買収したい。でも買わせてくれとは言いづらい場合は?
また、相談として多いのは、昔から付き合いのある経営者が引退を考えていて、恩があるのでその会社を買いたいが、買うよ、と言いづらいケースです。これは協力会社など、プライベートでの親交があまり深いわけではない経営者の方がよくお話になることです。
協力者同士では、いくら付き合いがあっても「会社を買う」という話をすると、関係がぎくしゃくすることもあるようです。
そういった場合も前もって我々に相談していただくことをお勧めします。売却する意思の確認などを、我々が確認します。もちろん名前を伏せて調査しますので、相手側に買い手側の情報が漏れることはありません。
その後の手続きも我々のような専門家が間に入っていくことで円滑に進めることができます。
相手の社長側も、後継者がいないということが言いづらくて会社を売りたいが、売りたいと言えていないケースもあります。そういった事情についてもヒアリングをしますので、必ず間に専門家を入れていただくことをお勧めいたします。
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