建設業界特化型のM&Aコンサルティング業務を行っています。
「M&A」には、どでかい事をしているような言葉の響きがあります。ニュースで耳にするM&Aは数百億、数千億円の大きなものばかりです。
しかし決して、そんなことはなくこれから中小企業こそ買収を積極的に進める時代担っていくと私たちは考えています。
M&Aによる企業成長をお考えの経営者の方には、事前に考えておいていただきたいことがございますのでお伝えさせていただきます。
買収目的は明確に。良い案件をご紹介させていただくために
買収側の社長の行うべき事前準備の基本として、買収する目的を明確にすることがあります。
たとえば、塗装会社が足場会社を買収するような、事業ジャンルの拡大のためというのも一つの目的です。
あるいは、東京の会社が大阪の会社を買収するような、事業エリアの拡大のためという目的もあります。
なぜ目的をはっきりさせることが基本なのでしょう?
それは判断基準が明確になるからです。
判断基準が明確になれば、私たちはM&A成立につながる案件を的確にご紹介できます。
逆に言うと、判断基準がわからないと、ご紹介が難しいのです。
仮に、途中までうまく進んでも破談になるリスクが高いからです。
なかには「どんどん紹介して」と目的を曖昧にしたままの方もいらっしゃいますが、会社の買収案件は、賃貸物件の紹介とは訳が違います。
会社を売却する決断は、社長にとって勇気が必要だからです。
売却側の社長の勇気を、破談によって台無しにはできないのです。
一方で買収側の社長の、事業拡大に傾ける情熱をお手伝いしたい気持ちもあります。
私たちとしては的確な案件紹介で、買収側の気持ちに寄り添っています。
買収側も売却側も皆様がハッピーになるM&Aに、私たちは取り組んでいます。
買収後の戦略が売却側の安心感を生む
買収目的とともに事前準備として大切なのは、買収後の戦略です。
M&A案件が進む過程では、買収側と売却側双方をお引き合わせする「オーナー面談」があります。
ここで、買収側がM&A後の可能性のある将来像を伝えられなければ、これも破談に繋がってしまうことが多いです。売却を検討している社長が、従業員の将来に安心ができないからです。
オーナー面談では、戦略を伝えるだけでなく、売却側の心情を受け止める柔軟さも必要です。心情を受け止めることで、売却側の社長が従業員の将来に安心ができます。
時として、心情を受け止めて戦略を修正することは、買収側にとってメリットを欠くことがあります。
しかし、買収側のメリットを売却側に押しつけることは破談の原因です。
買収側も売却側も、お互いの気持ちに寄り添うことがM&Aの成立につながります。
実は「気持ちの問題」がM&Aでは重要
今回は、買収側が「目的」と「戦略」を明確にすることが、M&A成立につながることをご説明しました。
「気持ちの問題」が話題に出てきたので、M&Aについてドライなイメージを持たれていた方には意外かもしれません。しかし、中小企業は従業員と社長の距離が近いので、スモールなM&A案件ではウェットな事情が成否を左右します。
最後の最後で、気持ちの問題によってM&Aが破談になるのはよくある話。
売却側の気持ちに寄り添うことを通じて、M&Aによる事業拡大のチャンスを、買収側の社長には掴んでいただきたいと思っています。