建設・建築業のM&A・事業承継について、よくいただくご質問をまとめました。ここにないご質問は、お問い合わせからお寄せください。初回のご相談は無料です。
SECTION 01建設業許可の承継
株式譲渡で会社を譲ると、建設業許可はどうなりますか
会社そのものは存続し、株主が変わるだけなので、建設業許可はそのまま継続します。許可番号も変わりません。ただし役員や常勤役員等が交代する場合は変更届の提出が必要で、要件を満たす人を欠くと許可を維持できなくなります。譲渡の設計段階で、誰が要件を担うかを先に決めておく必要があります。
事業譲渡だと建設業許可は引き継げないのですか
従来は引き継げず、譲受側が自ら新規に許可を取得する必要がありました。現在は建設業法の改正により、事業譲渡・合併・会社分割について、あらかじめ国土交通大臣または都道府県知事の認可を受けることで許可を承継できます。ただし認可は譲渡の効力発生前に受ける必要があり、事後の申請は認められません。スケジュールの逆算が要ります。
許可の承継認可には、どのくらい時間がかかりますか
審査には一定の期間を要し、書類の不備があればさらに延びます。譲渡日から逆算して余裕をもって着手する必要があります。クロージング日を先に決めてから認可申請に入ると、日程が合わずに譲渡自体を延期することになりがちです。当社は認可のスケジュールを先に置いてから、他の条件を組み立てます。
認可を受けずに事業譲渡してしまうと、どうなりますか
譲受側は許可のない状態になり、その時点から一定金額以上の工事を請け負えません。進行中の工事があれば継続に支障が出ます。無許可営業は行政処分の対象にもなります。事業譲渡型を選ぶ場合、許可の扱いは最優先で確認すべき論点です。
会社分割の場合はどうなりますか
会社分割も認可の対象で、事前認可を受ければ許可を承継できます。新設分割で受け皿会社を作る場合、その新会社が許可を持たない状態からのスタートになるため、認可のタイミングと工事の受注時期が競合しやすい点に注意が必要です。
許可の更新時期が近いのですが、譲渡に影響しますか
影響します。建設業許可は有効期間が定められており、更新の時期と譲渡の時期が重なると、手続きが二重に走ります。更新を済ませてから譲渡するか、譲渡後に譲受側が更新するかを事前に決めておくべきです。有効期間が残り少ない状態は、譲受側から見て不安材料にもなります。
一般建設業と特定建設業では、譲渡の難易度が変わりますか
変わります。特定建設業は財産的基礎の要件が厳しく、譲受側がその要件を満たせるかが論点になります。逆に、特定を持っていること自体が譲受側にとって魅力になる場合もあります。どちらの区分かによって、狙うべき譲受先の層が変わります。
許可業種が複数あると、譲渡価額は上がりますか
上がる場合があります。ただし単純に業種数が多いほど高いわけではなく、譲受側が欲しい区分を持っているかどうかで決まります。譲受側が元請として受注範囲を広げたい場合、不足している1業種を持っているだけで大きな価値になることがあります。当社は区分ごとに譲受側の動機が異なる前提で候補を探します。
営業所が複数ある場合、注意点はありますか
営業所ごとに専任技術者の常勤が求められるため、譲渡に伴って人が動くと要件を欠く恐れがあります。また譲受後に営業所を統廃合する計画がある場合、その手続きも並行します。営業所の数と所在地は、譲渡設計の初期に確認する項目です。
社会保険の未加入があると、譲渡できませんか
譲渡自体はできますが、適切な社会保険への加入は許可の要件とされており、未加入や加入漏れはデューデリジェンスで必ず指摘されます。未加入分の遡及リスクが譲渡価額から差し引かれることも多いため、早い段階で整理しておく方が有利です。
SECTION 02技術者と人員
社長が常勤役員等の要件を満たしています。譲渡したら許可はどうなりますか
社長が退任すると要件を欠くため、代わりの人を用意しなければ許可を維持できません。譲受側の役員が要件を満たすか、社長が一定期間残るかのいずれかが必要です。この点は譲受先を選ぶ条件そのものになるため、最初に確認します。
専任技術者が退職したら、譲渡はどうなりますか
該当業種の許可を維持できなくなる恐れがあります。譲渡交渉中に技術者が抜けると、条件の再交渉や譲渡自体の見直しにつながります。交渉を進める際は、キーパーソンの動向に注意が必要です。
技術者の年齢が高いのですが、評価は下がりますか
下がる要素として扱われます。譲受側は譲受後の継続性を見るため、技術者の年齢構成は重要な判断材料です。ただし若手が育っている、資格取得を支援している、といった事実があれば評価は変わります。譲渡を数年先に見据えるなら、この点は改善余地の大きい領域です。
従業員に譲渡を知られたくないのですが、可能ですか
可能です。譲渡の検討段階では社名を出さず、匿名の概要書で譲受候補に打診します。従業員への開示は、基本合意後の適切な時期に、伝え方まで設計してから行うのが通例です。開示のタイミングを誤ると人の離脱を招くため、慎重に進めます。
技術者を確保したい譲受企業は多いのですか
多い領域です。採用で技術者を集めることが難しくなっているため、組織ごと迎える手段としてM&Aを検討する企業が増えています。技術者が在籍していること自体が譲渡の強みになる場合があります。
一人親方や外注が中心の会社は、譲渡が難しいですか
社内に人が残らない形だと、譲受側から見た価値が下がる傾向はあります。ただし施工体制や協力会社との関係が資産として評価されることもあります。何が強みになるかは会社の実情によるため、決めつけずに整理します。
譲渡後、社長は退任しなければなりませんか
必須ではありません。引き継ぎのため一定期間顧問や役員として残るケースが多く、許可要件の維持を理由に残る場合もあります。残る期間と役割は交渉事項です。
従業員の雇用は守られますか
守ることを条件に交渉できます。株式譲渡であれば雇用契約はそのまま継続します。事業譲渡の場合は転籍の手続きが必要になるため、条件を明確にしてから進めます。雇用条件や役職の継続方針は、トップ面談の段階で言語化しておくべき項目です。
SECTION 03進め方・期間・費用
相談は無料ですか
初回のご相談は無料です。現状の整理、選択肢のご提示、企業価値の簡易算定まで費用はかかりません。費用が発生するのは、仲介契約またはFA契約を締結いただいてからです。
譲渡が成立するまで、どのくらいかかりますか
案件によりますが、譲受候補の探索から契約締結、引き渡しまでには一定の期間を要します。許認可の承継認可が必要な場合はさらに日程が伸びます。再生案件のように時間の制約が厳しい案件では、数週間で成立させることもあります。
仲介とFAは何が違うのですか
仲介は譲渡側・譲受側の両当事者と契約して双方に助言し、FAは一方の当事者のみと契約してその依頼者だけに助言します。仲介は手続きが円滑に進みやすい反面、譲渡額の最大化だけを重視しない立場になります。FAは依頼者の利益最大化を目的としますが、相手方との調整に時間がかかることがあります。どちらで契約するかは最初に整理し、書面で明示します。
手数料はどのように決まるのですか
一般的には、譲渡価額や移動総資産などを基準に、金額帯ごとに料率を変える方式(レーマン方式)が用いられます。当社の算定基準・料率・最低報酬額・支払時期は、仲介契約・FA契約の締結前に、重要事項説明書により書面でご説明します。
着手金はかかりますか
費用が発生するのは仲介契約・FA契約の締結からです。金額と支払時期は契約前に書面でご説明します。ご相談の段階では費用は発生しません。
途中でやめることはできますか
できます。当社は契約に中途解約の規定を設けています。中小M&Aガイドラインも、依頼者が任意の時点で解約できる旨を明記することを求めています。
専任契約を求められますか
専任条項を設ける場合、契約期間は最長でも6か月から1年以内を目安としています。他の支援機関にセカンドオピニオンを求めることを妨げるべき合理的な理由がなければ、これを許容します。
テール条項とは何ですか
契約終了後の一定期間内に、その支援機関が紹介した相手とM&Aが成立した場合、手数料が発生する規定です。当社はテール期間を最長でも2年から3年以内を目安とし、対象は当社が関与・接触し紹介した譲受側のみに限定します。
企業価値はどう算定されるのですか
純資産に将来の収益力を加味する方法などが用いられます。当社が示すのは参考資料としての簡易な算定であり、確定的な評価ではありません。必要に応じて士業等専門家の意見を求めていただけます。
秘密は守られますか
情報開示の前に秘密保持契約を締結します。開示の範囲、士業等専門家への共有の扱いを明記したうえで進めます。譲受候補への打診も、事前にご承認いただいた企業に限ります。
SECTION 04赤字・債務超過の場合
赤字でも譲渡できますか
できる場合があります。建設業では、許可の区分、技術者、施工実績、協力会社との関係といった、決算書に表れない資産が評価されることがあります。赤字という一点だけで判断せず、何が譲受側にとって価値になるかを整理します。
債務超過です。もう手はありませんか
この段階でもスポンサーが見つかることはあります。私的整理・法的整理・第二会社方式を前提としたスキームで、事業を継続できる引受先を探す方法があります。弁護士・金融機関と並走しながら進める領域です。
第二会社方式とはどのようなものですか
採算の取れる事業を新会社へ移し、旧会社に債務を残して整理する手法です。事業と雇用を残しながら、過剰債務を切り離すことを狙います。許認可の承継や債権者の同意など、詰めるべき論点が多く、時間の制約も厳しくなります。
銀行にリスケを続けています。相談してもいいですか
むしろ早い方がよい段階です。金融機関の対応が変わってから動き始めると、選べる手が減ります。返済条件の変更が続いている時点でご相談いただければ、譲渡と再生の両方を並べて検討できます。
廃業と譲渡、どちらが手元に残りますか
会社の状況によります。清算した場合に残る金額を算定し、譲渡した場合と数字で比較してから判断できます。清算価値の算定からお手伝いします。譲渡が有利とは限らないため、比較そのものを目的にご相談いただいて構いません。
破産を検討していますが、その前にできることはありますか
事業に引受先が見つかれば、雇用と取引先を残したまま事業を継続できる可能性があります。ただし時間の制約が非常に厳しく、資金が尽きる前に動く必要があります。弁護士に相談されている段階でご連絡いただくことが多い領域です。
進行中の工事があるまま、譲渡できますか
できますが、発注者への説明、費用負担の整理、施工体制の引き継ぎが必要です。工事を止めないことが譲受側にとって最大の関心事になるため、ここを設計に織り込みます。
従業員に給与を払えない状況です。間に合いますか
状況次第です。資金繰りの余力がどれだけ残っているかで、取れる手段が変わります。判断を先送りするほど選択肢が減るため、早めにご相談ください。
SECTION 05従業員・取引先への影響
取引先との契約は継続しますか
株式譲渡であれば会社が存続するため、原則として契約は継続します。ただし契約書にチェンジ・オブ・コントロール条項があると、株主変更を理由に相手方が解除できる場合があります。主要な契約の条項確認は必ず行います。
下請として入っている元請との関係は変わりますか
変わる可能性はあります。元請が取引先の資本構成を確認する場合があり、譲受側の信用力によって取引が拡大することも、逆に見直されることもあります。主要な元請への説明のタイミングは、慎重に設計します。
屋号や社名は残せますか
残すことを条件に交渉できます。地域での認知や施工実績が屋号に紐づいている場合、譲受側にとっても社名を維持する方が有利なことが多いです。継続方針はトップ面談で確認します。
協力会社との関係はどうなりますか
譲渡後も継続できるかが、譲受側にとって重要な確認事項です。長年の関係が資産として評価されることもあります。誰に、いつ、どう伝えるかを含めて設計します。
従業員の給与や待遇は下がりませんか
下げないことを条件に交渉できます。譲受側にとっても、人が辞めることは譲受の目的を損なうため、待遇維持に応じるケースは多くあります。条件として書面に落とすことが重要です。
役員の親族が社員として在籍しています。問題になりますか
デューデリジェンスで論点になることがあります。職務内容と報酬の妥当性を説明できる状態にしておく方が有利です。
社長個人が会社に貸付をしています。どうなりますか
役員貸付・借入の整理は譲渡前に検討すべき項目です。処理の方法によって税負担も変わるため、当社では社内の税理士と一体で設計します。
会社名義の不動産や社宅があります。含めて譲渡しますか
含めるか切り離すかを選べます。事業に必要のない資産は譲渡対象から外し、譲渡価額を調整する方法もあります。設計次第で税負担も変わるため、方針を先に決めます。
SECTION 06税務・承継の設計
株式を譲渡すると、税金はどうなりますか
個人株主が株式を譲渡した場合、譲渡所得として課税されます。税率や計算方法は状況により異なるため、当社では社内の税理士と一体で試算します。事業譲渡の場合は法人に譲渡益課税が生じ、消費税の取り扱いも異なります。
役員退職金を受け取る方が有利ですか
譲渡代金として受け取るか、退職金として受け取るかで手元に残る金額が変わることがあります。金額の妥当性や損金算入の可否など検討事項があるため、税理士を交えて設計します。
親族に承継したいのですが、相談できますか
対応しています。株式の移転方法、種類株式による議決権の設計、事業承継税制の適用可否、後継者への段階的な権限移譲など、M&A以外の選択肢も含めてご相談いただけます。
従業員に承継させたい場合、資金はどうしますか
後継者が株式を買い取る資金を用意できないことが多いため、資金調達のスキームを設計します。金融機関の融資、持株会社の設立、段階的な移転など、複数の方法があります。
事業承継税制は使えますか
要件を満たせば適用できる場合があります。ただし計画の提出期限や適用期限が定められており、制度の内容も改正されています。現時点で適用可能かどうかは、最新の制度をもとに税理士と確認する必要があります。
譲渡する何年前から準備すべきですか
数年前から着手する価値があります。許可区分の整備、技術者の育成、取引先の分散、財務体質の改善は、いずれも短期間では動きません。譲渡の予定が具体的でない段階からご相談いただけます。
SECTION 07譲受をお考えの企業へ
建設会社を買収したいのですが、案件を紹介してもらえますか
ご希望のエリア・業種・規模をご登録いただくと、条件に合う案件が出た段階でご連絡します。匿名の概要書でご案内し、秘密保持契約の締結後に詳細な資料をお送りします。
許可を持つ会社を買えば、すぐ元請になれますか
許可の区分と、要件を満たす人員が残るかによります。株式譲渡なら許可は継続しますが、常勤役員等や専任技術者が抜けると維持できません。誰が要件を担うかを、譲受の条件として確認する必要があります。
譲受後、何から手を付けるべきですか
建設業では、経営統合の議論より現場が先です。許可の空白を作らない、技術者と協力会社を残す、進行中の工事を止めない。この3つを外すと、統合の議論に入る前に受注が落ちます。当社は統合計画の策定から実行までお手伝いします。
デューデリジェンスで何を見るべきですか
建設業で論点になりやすいのは、未成工事支出金、工事進行基準の適用、下請代金の支払状況、社会保険の加入状況です。当社は資料の整理と論点の橋渡しを担い、調査結果の結論は決定しません。必要に応じて士業等専門家の意見を求めていただきます。
再生案件のスポンサーになることに関心があります
私的整理や第二会社方式を前提としたスポンサー案件も扱っています。時間の制約が厳しく、弁護士・金融機関との並走が必要な領域です。関心のある条件をご登録いただければ、該当する案件が出た際にご連絡します。
赤字の会社を買うメリットはありますか
許可の区分、技術者、施工実績といった資産を、黒字企業より低い価額で取得できる場合があります。ただし簿外債務や進行中工事の採算など、確認すべき項目は増えます。
SECTION 08運送業のM&A
運送会社の譲渡も扱っていますか
扱っています。当社の主軸は建設・建築業ですが、再生を前提としたスポンサー型の案件については業種を限定せずお受けしており、運送業もその一つです。
運送業の事業譲渡には認可が必要ですか
一般貨物自動車運送事業の譲渡・譲受、合併、分割には、貨物自動車運送事業法にもとづく国土交通大臣の認可が必要です。認可を受ける前に譲渡の効力を生じさせることはできません。
運送業の認可で、日程上の注意点はありますか
認可の審査に一定の期間を要するほか、役員が受ける法令試験の実施時期が限られている点に注意が必要です。試験の実施月から逆算しないと、クロージング時期が数か月ずれることがあります。当社はこの日程を先に置いてスケジュールを組みます。
株式譲渡なら認可は不要ですか
法人格が変わらないため、事業許可そのものは継続します。ただし役員変更等の届出は必要で、要件を満たす体制を維持しなければなりません。スキームによって手続きが大きく変わるため、初期段階で方針を決めます。
状況を伺えば、より具体的にお答えできます。
社名を伏せたままでも構いません。