管工事会社のM&Aでは、建設業許可とは別に、水道事業者から受けている指定を引き継げるかを確認する必要があります。
給水管や排水設備の工事を行う会社の多くは、建設業許可の管工事業に加えて、自治体の水道事業者から指定給水装置工事事業者などの指定を受けています。建設業許可が承継できても、指定は別の手続になることがあり、ここを見落とすと譲渡後に一部の工事を受けられなくなります。
本稿の要点
1. 管工事業の許可、管工事施工管理技士などの資格者、設備工事の元請・下請関係が評価の中心になる
2. 水道事業者の指定は事業者ごとに受けるもので、手法によっては譲受側で改めて指定を受ける必要がある
3. 指定の要件となる主任技術者が譲渡後も在籍するかを、最初に確認する
管工事会社で評価されるもの
| 要素 | 見られる点 |
|---|---|
| 許可 | 管工事業の許可。一般か特定か。あわせて水道施設工事業や機械器具設置工事業を持っているか |
| 指定・登録 | 指定給水装置工事事業者、排水設備の指定工事店などの指定を、どの水道事業者・自治体から受けているか |
| 技術者 | 管工事施工管理技士、給水装置工事主任技術者などの資格者の人数と年齢 |
| 受注構造 | 新築の設備工事か、修繕・更新工事か。サブコンとしての下請か、施主からの直接受注か |
建設業許可と、水道の指定は別に考える
株式譲渡であれば、建設業許可も水道事業者の指定も会社に残ります。ただし指定の要件となる主任技術者が退職すれば、指定を維持できなくなる恐れがあります。
事業譲渡や会社分割では、建設業許可は事前の認可で承継できますが、水道事業者の指定は譲受側の会社が改めて申請する必要があるのが一般的です。指定の手続や期間は水道事業者ごとに異なるため、営業している地域ごとに確認し、譲渡日から逆算して準備します。
管工事会社のM&Aで確認すべき点
- 指定を受けている水道事業者の一覧。複数の自治体で指定を受けている場合、それぞれの扱いを整理します。
- 主任技術者と施工管理技士の継続。指定と許可の両方を支える資格者が、譲渡後も在籍し続けるかを確認します。
- 修繕・緊急対応の体制。漏水対応などの緊急工事を担っている場合、その体制と取引先との約束を引き継げるかが評価に影響します。
- 進行中の工事と保証。設備工事の採算と、引き渡し後の不具合対応の扱いを確認します。
どんな企業が譲受を検討するか
設備工事を内製化したい総合建設会社、エリアを広げたい同業の設備会社、水道関連の維持管理事業を強化したい企業などが主な譲受候補です。
建設業のM&A全体の流れは建設業のM&Aの全体像に、許可の承継は建設業許可はM&Aで引き継げるのかにまとめています。
当社は建設業に特化したM&A支援機関として、管工事会社の譲渡・譲受をお手伝いしています。許可と指定の両方を途切れさせない手順まで含めて設計します。
ご相談と企業価値の簡易算定は無料です。社名を伏せたままでもご相談いただけます。お問い合わせフォームまたはお電話(03-3528-8810)からご連絡ください。
本稿は一般的な内容です。指定給水装置工事事業者等の指定の取扱いは水道事業者・自治体により異なるため、個別の案件では所管の窓口と専門家にご確認ください(本稿は2026年10月時点の情報に基づいています)。