電気工事会社のM&Aでは、建設業許可に加えて、電気工事業法にもとづく登録や届出と、電気工事士の配置を確認する必要があります。
電気工事を営む会社は、建設業許可の電気工事業とは別に、電気工事業法の登録電気工事業者、または建設業許可業者としてのみなし登録の届出をしています。二つの制度の両方で要件を満たし続けられるかが、譲渡の設計の出発点です。
本稿の要点
1. 電気工事業の許可、電気工事施工管理技士・電気工事士などの資格者、受注構造が評価の中心になる
2. 電気工事業法の登録・届出と主任電気工事士の配置は、建設業許可とは別に確認が必要
3. 資格者の確保が難しい業種のため、技術者の継続が価額を大きく左右する
電気工事会社で評価されるもの
| 要素 | 見られる点 |
|---|---|
| 許可・登録 | 電気工事業の許可。一般か特定か。電気工事業法の登録または届出の状況。電気通信工事業や消防施設工事業を持っているか |
| 技術者 | 電気工事施工管理技士、第一種・第二種電気工事士などの資格者の人数と年齢 |
| 受注構造 | 新築の設備工事か、改修・保守か。サブコンとしての下請か、施主からの直接受注か。公共工事の比率 |
| 継続収入 | 保守点検や定期的な改修など、毎年見込める仕事があるか |
建設業許可と、電気工事業法の手続は別に考える
株式譲渡であれば、建設業許可も電気工事業法の登録・届出も会社に残ります。ただし営業所ごとに置く主任電気工事士や、許可の要件を担う技術者が退職すれば、要件を欠くことになります。
事業譲渡や会社分割では、建設業許可は事前の認可で承継できますが、電気工事業法の登録・届出は譲受側で改めて手続が必要になる場合があります。手法ごとの扱いを所管の窓口に事前に確認し、工事を止めない日程を組みます。
電気工事会社のM&Aで確認すべき点
- 資格者の継続と処遇。電気工事の資格者は採用での確保が難しく、譲受の動機そのものであることが多い存在です。譲渡後の処遇と役割を早めに示します。
- 保守契約の引き継ぎ。保守点検の契約は継続収入として評価されますが、契約に譲渡や支配権の変更に関する条項がないか確認します。
- 安全管理の記録。労働災害の履歴や安全教育の状況は、譲受側が必ず確認する項目です。
- 進行中の工事の採算。資材価格の変動を受けやすい工事について、採算と追加費用の扱いを確認します。
どんな企業が譲受を検討するか
設備工事を内製化したい総合建設会社、エリアや得意分野を広げたい同業の電気工事会社、再生可能エネルギーや通信設備の工事を強化したい企業などが主な譲受候補です。
建設業のM&A全体の流れは建設業のM&Aの全体像に、許可の承継は建設業許可はM&Aで引き継げるのかにまとめています。
当社は建設業に特化したM&A支援機関として、電気工事会社の譲渡・譲受をお手伝いしています。許可・登録・資格者の三つを途切れさせない手順まで含めて設計します。
ご相談と企業価値の簡易算定は無料です。社名を伏せたままでもご相談いただけます。お問い合わせフォームまたはお電話(03-3528-8810)からご連絡ください。
本稿は一般的な内容です。電気工事業法にもとづく登録・届出の取扱いは手法や所管により異なるため、個別の案件では所管の窓口と専門家にご確認ください(本稿は2026年10月時点の情報に基づいています)。