とび・土工会社のM&Aは、職長と技能者が残るかで決まる|とび・土工・コンクリート工事業の譲渡・譲受

とび・土工会社のM&Aは、職長と技能者が残るかで決まる

とび・土工・コンクリート工事会社のM&Aでは、決算書の利益よりも、現場を回せる職長と技能者が何人残るかが評価を大きく左右します。

足場、鳶、土工、基礎、コンクリート打設。とび・土工・コンクリート工事業は対象となる工種が広く、元請のゼネコンや住宅会社から見れば、工程の最初を任せられる相手です。人手不足が続くなか、譲受側は採用では集めきれない職長と技能者のまとまりを求めて、この業種の会社を探しています。

本稿の要点

1. 許可の内容、職長・技能者の人数と年齢、元請との取引関係、足場材などの資産が評価の中心になる

2. とび・土工・コンクリート工事業の許可だけでは、一定規模以上の解体工事は請け負えない。どの工種で売上を立てているかの整理が先に必要

3. 人が残るかどうかが価値そのもの。処遇と現場の体制を、条件交渉の前に設計する

とび・土工・コンクリート工事会社で評価されるもの

要素 見られる点
許可 とび・土工・コンクリート工事業の許可が一般か特定か。あわせて解体工事業や土木一式工事業などを持っているか
技術者・技能者 施工管理技士やとび技能士などの資格者の人数と年齢。職長を任せられる人が何人いるか。作業主任者の選任体制
受注構造 元請の顔ぶれと売上の偏り。ゼネコンの協力会社としての登録状況や、継続して声がかかる関係があるか
資産 足場材、重機、車両、資材置き場の保有状況と状態。リースや割賦の残債の有無

許可の範囲と、実際の売上がずれていないか

とび・土工・コンクリート工事業は、かつて解体工事も含む区分でした。2016年に解体工事業が独立した区分となり、経過措置も終了しているため、現在は一定規模以上の解体工事を請け負うには解体工事業の許可が必要です。

長く営業している会社では、許可の区分と実際の売上の内訳がずれていることがあります。譲受側は、どの工種でどれだけ受注しているか、それに見合った許可と技術者がそろっているかを確認します。譲渡の前に工種別の売上を整理しておくと、評価の説明がしやすくなります。

とび・土工・コンクリート工事会社のM&Aで確認すべき点

  1. 職長と技能者が残るか。この業種の価値は人に宿ります。社長との個人的な信頼でつながっている職長が多い場合、譲渡後の処遇と役割を先に示さないと、人が離れて価値が消えます。
  2. 一人親方・外注との関係。自社の社員だけでなく、継続して仕事を受けてくれる一人親方や協力会社がどれだけいるか。その関係が譲渡後も続くかを確認します。
  3. 安全管理と労災の履歴。高所作業が多い業種のため、過去の労災事故の有無、安全書類の整備、足場に関する法令改正への対応状況が見られます。
  4. 足場材と重機の実態。帳簿上は償却済みでも価値がある資材がある一方、置き場の賃貸借や残債が残っていることもあります。所有と保管の実態を確認します。
  5. 元請への依存度。特定の元請からの受注が売上の大半を占める場合、その元請が譲渡後も取引を続けるかが価額に直結します。

どんな企業が譲受を検討するか

躯体工事の自社施工比率を上げたい総合建設会社や住宅会社、施工エリアを広げたい同業のとび・土工会社、解体や土木と組み合わせて一貫施工を目指す企業などが主な譲受候補です。譲受側にとって何が不足を埋めるのかを見極めることで、人と取引関係に見合った評価を引き出せます。

建設業のM&A全体の流れは建設業のM&Aの全体像に、許可の承継は建設業許可はM&Aで引き継げるのかにまとめています。

当社は建設業に特化したM&A支援機関として、とび・土工・コンクリート工事会社の譲渡・譲受をお手伝いしています。職長と技能者、元請との関係を残したまま引き継ぐ手順まで含めて設計します。

ご相談と企業価値の簡易算定は無料です。ご相談内容は秘密厳守です。お問い合わせフォームまたはお電話(03-3528-8810)からご連絡ください。

本稿は一般的な内容です。許可の要件や経過措置の取扱いは許可行政庁により確認が必要なため、個別の案件では所管の窓口と専門家にご確認ください(本稿は2026年10月時点の情報に基づいています)。

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